わらの「大蛇」がぶり 集落練り歩く年始の伝統神事 「巳年」に幸運を願う

2025.01.13
丹波市地域注目

賢くなるよう、大蛇に頭をかんでもらう子ども=2025年1月12日午前11時12分、兵庫県丹波市山南町応地で

兵庫県丹波市山南町応地集落で12日、住民がわらで編んだ「大蛇」を持って練り歩く年始の伝統神事「蛇(じゃ)ない」が行われた。長さ約10メートルの大蛇がおよそ30戸を訪ね、五穀豊穣や無病息災といった住民の幸運を願った。

大歳神社の松の木にかけていた前年の大蛇は燃やし、今年用の大蛇を制作。住民から分けてもらった大量のわらを使い、3人が「せーの」の掛け声に合わせ、柔道の背負い投げのように体を回転させる作業を繰り返し、編み上げた。

大蛇に酒を飲ませて清め、同神社を出発。各戸を訪問し、子どもは賢くなるように頭を、お年寄りは元気に歩けるように足をかんでもらった。蛇が暴れるほどその年は豊作になるという言い伝えがあり、時折円になって暴れさせた。使用した大蛇は来年の蛇ないまで、松の木にかけておく。

巳(み)年生まれで、初めて先頭で歩いた林圭亮さん(35)は「応地の皆さんに福を届けられたら」と話し、「蛇ない保存会」の徳岡勝己会長(67)は「巳年に良いスタートが切れた」とほほ笑んだ。

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