兵庫県丹波市の会社員、西浩太さん(24)は、白、赤、黒、紫など7匹のヘビを観賞用に飼っている。かつて、遊びに行った同県丹波篠山市の祖母宅でヘビを捕まえようと手を伸ばし、親に止められた子は、15歳、高校1年生で初めてペットショップでヘビを購入。「色を見るのと、たまに触る」のを楽しみに、飼育ケースを棚に並べ、ヘビと共に暮らしている。
ヘビとカブトムシ、クワガタの飼育環境を求め、東大阪市からIターン。元ペットショップ店員。「この辺りは飼う人が少ないけれど、飼育が簡単で、都市部ではペットとして爬虫類は人気」と話す。「数を増やしても手間がそう増えないので、100匹とか飼う人もいる」そう。
販売用に品種改良された、アメリカに分布する「コーンスネイク」の色違いを飼っている。欠乏した色素と、残った色素の関係でさまざまな色の個体がいる。縦じま、市松模様風と、柄も異なる。無毒で、1・5―1・8メートルほどになる。1匹ずつ飼育ケースで飼っているが、狭い所を好み、ケースの中に置いた、弁当箱ほどの大きさの食品用タッパーに器用に入り込んでじっとしている。
年中、エアコンで室温を保っている。「変温動物は、寒いとエネルギーを使わない」と、夏場は25度の室温を、冬場はやや下げている。餌の冷凍ハツカネズミを冬場は月に1回与える。「水があれば半年は生きる。前に餌をやったのがいつだったか忘れるくらい間隔が空いてもへっちゃら。爬虫類は元々過酷な環境で生きている。世話のし過ぎは、肥満で死なせてしまう」と言う。
鳥のおしりと同じ総排泄腔が一つ。ふんをする。ケースに砂を敷き、ふんを取り除き、清潔に保つ。
ヘビのぬけ殻を財布にしのばせる民間習俗がある。「ヘビは無臭で、脱皮したての皮も臭わない。臭うのはふんが付いているから」と言う。育ち盛りは毎月脱皮し、「財布に入れられるどころの量でない」と笑う。
ヘビが好む地形を知っていて捕まえる技術があり、時々、野生のヘビを捕まえて観察する。「ヤマカガシやシマヘビは、個体差や地域差が大きい」
ぜひ見たいと思っているのが野生の白蛇。「激レア。目立つので、運を持っていないと生き残れないし、僕自身の運も相当良くないと見つけられない」と話している。
コロナ禍、▽鳴かない▽無臭▽飼育の手間が少ない―などから、爬虫類ペットブームが都市部で起こった。