生まれつき両腕がなく、左脚が右脚の半分しかないなど、重い障がいがありながらも、世界を舞台に活躍するスウェーデンの歌手、レーナ・マリアさん(56)のコンサートが3月29日午後1時半から、兵庫県丹波篠山市北新町の田園交響ホールで開かれる。同市内の一般社団法人「みずほの家」の主催。同法人の山中信彦さんは、「透き通るような歌声で、『愛』や『信じること』などのメッセージがあり、障がい者やその家族に勇気を与えてくれる。『私も頑張りたい』という気持ちになってもらえたら」と来場を呼びかけている。
レーナさんは大きなハンディキャップを持って生まれてきたものの、3歳から水泳を始め、1988年にはソウルパラリンピックに出場。また、5歳から聖歌隊で歌い、ストックホルム音楽大学を卒業したことから、音楽で生きることを決意して水泳選手を引退した。
98年の長野パラリンピックの開会式で歌声を披露したほか、世界中でコンサートを開き、「愛のゴスペル」を響かせている。
同じく障がいのあった娘を持ち、現在は障がい者福祉サービス事業所を展開している同法人の山中さんは、長野パラリンピックでレーナさんの存在を知り、感動したことから、「ぜひ丹波篠山でコンサートを開いてほしい」とオファー。市内で開かれ、障がいの有無に関係なく、誰もが音楽を楽しむ「とっておきの音楽祭」に出演することが決まっていたものの、コロナ禍の影響で中止となっていたが、今回、ようやく実現する。
コンサートでレーナさんは、アメージンググレースなどのほか、日本の曲も歌う予定という。また、ダウン症のピアニスト、鈴木凜太朗さん(伊丹市)や、障がいのある人や親、支援者でつくる「君愛バンド」がオープニングを飾る。
山中さんは、「『ナイチンゲールやヘレンケラーにはもう会えないけれど、レーナ・マリアには会える』と言われるほどの人」と言い、「歌も素敵だが、先進福祉国家スウェーデンの話も聞きたい。また、レーナさんを障がいのない人と同じように地域に出ていろんな体験をさせたご両親もすごい。地域の方のみならず、障がいのある人の家族にもぜひ参加してほしい」と話している。
チケットは全席指定で2000円。すでに500席ほどが埋まっている。
前日の28日午後零時15分からは同ホールでレーナさんの講演会も開かれる。レーナさんの旅費や謝金の一部に充てる協力金として500円の献金を呼びかける。