「大内山」をもう一度遊べる山に―。兵庫県丹波市立崇広小学校PTA(今藏和馬会長)はこのほど、同市役所本庁舎を訪れ、市有地の学校裏山「大内山」の整備についての要望書を、署名2213筆を添えて林時彦市長に手渡した。また、同じ内容の陳情書を、片山則昭教育長宛てに提出した。
要望書の項目は▽大内山について、運動場環境に悪影響を及ぼさないよう、土砂流出対策などの整備を▽市民による学校支援活動として、大内山の整備や植林などを行う場合、費用面を含めた支援を―の2点。
大内山は、昭和の時代から“崇広っ子”たちの格好の遊び場だったが、近年は山の荒廃などで危険な状態になり、一部を除いて立ち入り禁止になっている。また、雨が降ると大内山から大量の水が流れてくるため、側溝からあふれてグラウンドにも流れ込み、長くたまり続ける状態になっているという。
今藏会長(37)は「大内山を昔のようにみんなで遊べる場に戻してあげたい」と訴えた。要望書と署名を受け取った林市長は、「一度荒れた山を治すのは大変難しいが、状態をよく見て、できることを考えたい」などと話した。
同小の堀博文校長によると、大内山は近年のゲリラ豪雨によりがけ崩れが発生。児童が滑り落ちてけがをすることもあった。県のまちなみ緑化事業で植樹をするなど、復旧を試みたが効果は乏しく、2019年からは学校判断で、一部を除き立ち入り禁止にしている。設置されていた長い滑り台も撤去した。堀校長は「グラウンドの水はけ状態にも問題がある。児童数が多いのに遊べる場所が少ない」と訴える。
PTAの署名は、昨年12月から集め始め、柏原自治協議会を通じて協力を呼びかけた。今藏会長は「地域で状況を話すと、大内山で遊べなくなっていることを知っている人はほとんどいなかった。まずは状況を知ってもらうことで何か良い案が出て、協力体制を取っていけたら」と話していた。