兵庫県丹波篠山市で今年も〝戦い〟が始まっている。市内の建物に作られたツバメの巣に、スズメが「お先にチュン」―。越冬地から帰ってきたツバメたちは、「うちの家が」と、うらめしそうに周囲を飛び交うが、スズメたちは、「うちのなんで」と威嚇するような視線を送っている。
スズメがツバメの巣を利用することは珍しくない。スズメが高い順応性を持つことのほか、営巣する瓦屋根の民家が減っていることなどが原因と考えられている。
毎年、観察している建物には数十個のツバメ(コシアカツバメ)の巣があるが、多くでスズメが入り口を壊して広げるなど〝リフォーム〟して再利用している。
困惑しているようにも見えるツバメたちは、辺りを飛んだり、入り口が破壊された巣に集まったりしているほか、泥を使って補修しようとする姿も見られた。
ツバメが哀れにも思えるが、スズメも命をつなぐために必死。自然界は「仁義なき戦い」であることを改めて感じる。そんなことを考えながらシャッターを切っていると、頭の中で、「チャララ~、チャララ~」とトランペットのメロディーが響いた。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)