観客の心動かす敵役に
「丹波篠山国際博」のオープニングイベントの一つで5日、民話「鼻の助太郎」を題材にしたミュージカルの主役を演じた。「丹波篠山らしい温かいミュージカルを心がけた。出演者全員が家族のような雰囲気を出したかったので、常に意思疎通を図りながら練習を重ねた。本番後、皆さんが笑顔で帰られるのを見て本当にうれしかった」
役者を題材にした漫画「アクタージュ」を読んで「命をかけて演技をしているキャラクターたち」に感銘を受け、篠山鳳鳴高校で演劇部に入った。1年生の最初の舞台で「せりふを覚えられなかったけれど、舞台に立った時の楽しさを感じた。自分には合っているなと思った」。
高校2年時に丹波篠山市民ミュージカルに初出演。「大舞台で緊張したけれど、劇団員や先生方からのアドバイスのおかげで全力を出し切れ、終わった後はすがすがしい気持ちだった」
進路を決める3年時に「今までこんなに自分にしっくりくるものはなかった。舞台に立った感動が忘れられない」と演劇の道に進むことを決意。専門学校の声優学科に進学し、 発声方法やアクセントなどの基本から学び、アニメのアフレコや舞台の練習などを積んだ。
役者を目指し、校内で行われたオーディションで東京の劇団の目に留まった。同劇団付属の養成所で1年間勉強することになり、15日に入所。1年後の「準劇団員」を目指す。「自分は156㌢と身長が低く、子どもっぽい役ができる。感情をしっかりとつくれるところをアピールしたい」
「共演してみたいのは、劇団新感線の古田新太さん。将来は観客の心を動かすような敵役をしたい」。20歳。