50歳過ぎて入門アマチュア落語家 足立義和さん(丹波市)

2025.04.06
たんばのひと

足立義和さん

「高齢者ネタ」創作も

「いちじく亭歓庁」の高座名で活動するアマ落語家。2代目森乃福郎さんの門弟。地元丹波市青垣町内のふれあいサロンや老人会で高座を務める「知る人ぞ知る」ローカル芸人。

持ちネタは、古典が8題、自身の創作が1、2題。ネタに気がいくと所作がおろそかになり、所作に気がいくとネタが飛ぶ。観客が高齢者の場合が多く、創作は高齢者に寄せてつくる。「新しい家電やITが苦手、ぼけの『あるある話』はウケる」

単身赴任中、帰宅途中に一杯引っかけようと立ち寄ったJR京都駅近くのビルでたまたま森乃さんの落語会に出くわした。最後まで観ていた5、6人が「教室やるで。教えるで」と声をかけられ、その場にいた見ず知らずの人たちが入門、月2回の教室が始まった。50歳を過ぎていた。

好きな落語家の好きな演目を覚え、師匠の前で発表し、指導を受けた。「プロは自分の色を出さなあかん。アマは好きな落語家のまねをしたらええ。まねをするのが素人」の言葉に励まされ、高校時代から好きな2代目桂枝雀の演目に取り組んだ。「録音を聞いて、聞いて、聞いて覚えた」

菩提寺の寺役員を引き受けた際、雑談で「趣味で落語をしている」とポロっとこぼしたところ、すぐにサロンから声がかかり、口コミでお座敷に呼ばれるように。「ネタを復習するのは大変だけど、そりゃうれしい。もっとやりたい。声をかけて」

元国交省職員。道路や河川など国事業の用地交渉の専門家。若い職員に、落語で用地交渉術を教えるなど、磨いた話芸は本業に役立った。出演依頼は足立さん(090・4497・0031)。69歳。

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