
生涯最も聴いたレコード、ザ・ディランⅡの「時は過ぎて」を手にする小谷さん。帯が付いている=兵庫県丹波篠山市北新町で
令和8年(2026)は、昭和元年(1926)から数えて満100年。戦後復興、高度経済成長などにおける、さまざまな出来事の中で日本が大きく発展した昭和の時代。一方、「平成」「令和」と時が流れるにつれ、古き良き時代というような懐かしさも込めて「昭和」が使われることが散見されるようになった。そこで、「楽しかった昭和」にスポットを当て、当時の“アルバム”の一部をひもといた。時代の再発見と、輝かしい未来につながることを期待して。
初めて買ったレコードは、小学6年か中学1年。吉田拓郎の「青春の詩」(昭和45年)か、北山修の作品集。お年玉くらいでしかレコードが買えず、「繰り返し聴いたので、いまだに全曲歌詞を覚えている」と、小谷真巳さん(66)=兵庫県丹波篠山市=は微笑む。母の影響で、幼い頃から音楽好き。昭和40年代、音楽はレコードで楽しむものだった。
自分で選んで音楽を聴くようになったのは、中学2年か3年。フォーク歌手の大塚まさじさん(現在、丹波篠山市在住)の影響が大きい。近所の「大西ミュージック」で大塚さんのLP盤を取り寄せてもらった。作詞、作曲、演奏を自身でするシンガーソングライターに憧れた。「主張のある音楽に憧れた。音楽が社会を変えると思われていて、私もそう思っていた。社会を変えようとする音楽が今も好き」
聴くジャンルは洋邦多岐にわたる。落語、浪曲は“初心者”。レコードは半分以上が棚からあふれ、紙袋に入ったまま。何枚あるか分からない。今も1人の時間ができると、中古レコード店に足を運ぶ。「車でリトル・リチャードのCDを聴いていたらレコードが欲しくなり、買った。火を吹くボーカル、ブリブリ鳴るバリトンサックス、重厚なドラム。レコードで聴くと、いっそうかっこいい」と悦に入る。「欲しい」と買った盤を「持っていた」というのもレコード好き“あるある”だ。
歌謡曲はほぼ持っていない。昭和50年代半ば以降の音楽は「良く知らない」。多感だった中学、高校時代に聴いた音楽が今も好きで、深く深く掘る。ストリーミング、配信全盛の時代だが「私は、手に取れる物が欲しい」。「レコードの良さを知っていて、得している感じ。集めたレコードをゆっくり聴きたいけれど、たぶん生きているうちに聴ききれない」と冗談を飛ばした。


























