枯れた茎に花のような氷の結晶“霜華”が出来ることで知られるシソ科の植物「シモバシラ」の写真展が、兵庫県丹波市青垣町の「青垣いきものふれあいの里」で25日まで開かれている。地面に出来る霜柱と同じ現象が植物に起こるというもので、寒い時期にしか見られない“氷の花”を捉えた20点が並んでいる。このほど、撮影者で県立人と自然の博物館地域研究員の武田一夫さん(74)が、霜華が出来る仕組みなどを解説した。要旨は次の通り。
展示写真は、いずれも東京・高尾山で撮影したもの。積雪がなく、気温がマイナス4度以下に冷え込んだ、晴れた早朝に氷の花が出来る。根が送水管の役割を果たし、枯れた茎に水を送り、それが茎の表面に出たときに凍る現象だ。この水と氷の境界面が“吸水ポンプ”になり、氷が四方八方に広がっていくという仕組み。
氷の花は枯れた茎から出るが、気温が下がれば刈れる前の青々とした状態でも出る。だから、本当の意味で、根が生命体の植物だ。
兵庫県にシモバシラは分布していない。ただ、ヨモギやノコンギクなど、氷の花を作る植物があり、キク科やシソ科に多い。茎の表皮の凍結温度が高いものほど氷が出やすい。あとは、茎にミクロン単位の小さな穴が開いていないと、この現象は起きない。
なぜ、植物はこのような現象を起こすのか。一つは、茎や葉など地上部がバラバラに枯れることで、新陳代謝を活発にするということ。もう一つは、水を吸い上げるので、土の水分に含まれる養分を吸い上げるチャンスになる。また、氷を作ることで、地下部に付いている翌年の芽を凍結から守っている可能性もある。
シモバシラは、山の北向き斜面や木陰で生育する。日当たりが悪く、ほかの植物が入ってきにくい場所なので、競合には都合がいい場所。このような場所で、どうやって生き延びてきたのか。種や地下茎で広がるチャンスはあるのに、あまり広がらないというのも生存戦略かもしれない。
ぜひ、シモバシラの氷の花の本物を見てほしい。絹のような輝きをしているので、感動されることと思う。





























