医師派遣で診療科維持へ 医大から地元病院への経営移譲で 市含めた3者で基本合意書締結

2026.02.12
地域注目

経営移譲に関する基本合意書を締結した井手理事長(中央)と野口副理事長(左)、酒井隆明市長=兵庫県丹波篠山市北新町で

兵庫県丹波篠山市にある兵庫医科大学ささやま医療センターの経営移譲に関して、丹波篠山市と同医大、医大から移譲を受ける医療法人社団みどり会(にしき記念病院運営)の3者がこのほど、同市役所で基本合意書を締結した。記者会見で、みどり会の井手通雄理事長(74)と医大の野口光一副理事長(69)は、移譲後も医大が一定期間、医師を派遣し、現在の診療科を維持する予定で調整していることや、名称は変更しない意向も表明。2月末をめどに金銭面も含めた最終合意を行い、7月1日の移譲を目指す。

医師派遣について野口副理事長は、「最長で3年間は責任を持って新病院をサポートする。大学病院ではなくなるため、若い研修医は減るが、戦力となる医師を派遣していく」と話した。

井手理事長は、「(経営移譲で)経営者が変わり、急に医師も変わると患者が戸惑う。とりあえず、今おられる先生にはいてもらいたい。最長3年の間に新しい医師を探すほか、希望があれば、そのまま継続していてもらいたい」とした。

両者とも、現在、勤務している従業員の動向を気にしており、野口副理事長は、「一番大きな課題は人。今、勤務する数百人が最大限、みどり会で働いてほしい。できるだけ多くの人が残り、スムーズに移行できることを祈っている」と言い、「非常に少なくなったときは、例えば出向などサポートする案を考えていきたい」と話した。井手理事長は、「どこにどれほどの人が残ってくれるか分からない段階ではリクルートができない。そのあたりは医大に助けてもらえれば」とした。

同センターは6診療科があり、稼働病床数は94床。締結した基本合意書では、市が医大から土地・建物、医療機器など全てを買い取り、みどり会に有償貸与。医大は同センターや併設の老人保健施設など全事業をみどり会に無償譲渡する。みどり会は、従業員を継続して雇用し、勤務条件もできるだけ維持するよう努力する、としている。

井手理事長は、「医大がやってこられたことは大きいが、『みどり会がやって良かった』と誇ってもらえるように努力する」と意気込み、野口副理事長は、「日本全体の医療が非常に厳しい中だが、29年間、この地域でやってきた歴史の重みもある。みどり会が丹波篠山の医療を支えられるよう、最大限サポートしていきたい」と話した。

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