120年の時経て復興 江戸時代に築かれた「王地山陶器所」 連載”まちの世間遺産”

2026.02.13
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工房でもあり、約200点の王地山焼を展示販売している王地山陶器所=兵庫県丹波篠山市河原町で

当たり前にありすぎるけれど、住民が大切にしていきたいもの「世間遺産」―。丹波新聞では、兵庫県丹波地域の人や物、景色など、住民が思う”まちの世間遺産”を連載で紹介していきます。今回は、兵庫県丹波篠山市河原町の「王地山陶器所」です。

丹波篠山市には、日本六古窯の一つである丹波焼に加え、もう一つの焼き物「王地山焼」が存在する。丹波焼が粘土を原料とする陶器なのに対し、王地山焼は石英や長石などを用いた磁器。

王地山陶器所は江戸末期の1818年頃、篠山藩の藩窯として築かれ、幕府や諸侯への献上品を手がけたが、明治維新の廃藩とともに廃窯。約120年後の1988年、地元有志の尽力で現在の場所に復興された。

作陶に励む教室生

現在、竹内保史さん(52)と岡本裕希子さん(36)の陶工2人が、当時の文献や作品を参考に型の復元に努めながら、新作に挑んでいる。大阪市出身で、92年から活動している竹内さんは「青磁の濃淡の美しさ」、三田市出身で21年から活動している岡本さんは「釉薬の美しさとデザインの良さ」と、それぞれ魅力を語る。

月に2回の木曜午後に教室も開催。共に通い始めて約10年になる西垣あけみさん(77)=丹波篠山市=は「集中して取り組める」、中川修子さん(81)=同=は「好きな花を生ける花器づくりが楽しみ」と言い、3年になるという畑芳孝さん(69)=同=は「自由に好きな作品が作れる」とやりがいを感じている。

今月から、手びねりや染付、湯呑みの鎬削りなどの体験を行っている。

 

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