
見頃を迎えた遠阪のセツブンソウ。3月1日に遠阪と森で「まつり」が開かれる=兵庫県丹波市青垣町遠阪で
当たり前にありすぎるけれど、住民が大切にしていきたいもの「世間遺産」―。丹波新聞では、兵庫県丹波地域の人や物、景色など、住民が思う”まちの世間遺産”を連載で紹介していきます。今回は、兵庫県丹波市青垣地域の「セツブンソウ」です。
「春の妖精」と呼ばれるキンポウゲ科の多年草。県レッドデータCランク。兵庫県丹波市北部の青垣地域で1―3月に見られ、小さく、雪のように白いかれんな姿から、写真愛好家や野草好きに愛されている。丹波篠山市に自生地があるが、丹波市は青垣しか報告例がない。
昔から里山に咲いていたセツブンソウが注目を浴びるようになったのは、ここ30年ほど。旧青垣町が整備した、自然学習施設「青垣いきものふれあいの里」(同町山垣)の開館(1995年)がきっかけ。「その辺で咲いとるわ、ぐらいに見ていた花を、開田先生が価値あるもので、保護せんならんと知らせてくれた」と、同施設開館時から長く勤務した谷勉さん(84)=同町=が証言する。
開田先生とは、青垣の自然に精通していた故・開田斎さん。同施設の初代運営委員長を務め、職員や運営委員を伴い青垣の山裾を歩いて自生地を調べた。元職員の長井克己さん(81)=同町=は同行者の一人。「10カ所前後あったかな。遠阪峠の大群生地は工事で消えた。盗掘され、すいっと消えた所もある」と記憶をたどる。
施設が出来たことで自然への関心が高まり、同施設友の会の会員が200人近くあった。その中で遠阪地区の地元住民が「早咲き」を見つけた。山の斜面の30平方メートルほどだけが、同町内の他の自生地よりひと月近く早く咲く。2月3日の節分に間に合い、写真愛好家の格好の被写体になった。
観光資源として売り出そうと、グループ、江古花園が22年前、同町東芦田で「まつり」を始めた。その後、同町遠阪、同町森が続き、3カ所に「まつり」は広がった。今年の遠阪と森の「まつり」は3月1日。地主の許可を得て、中旬まで公開される。


























