
2月7日前後に降った大雪で白化粧した藤坂屋の家屋と、利用を呼びかける店主の勇さん=兵庫県丹波篠山市藤坂で
観光系コンサルタント業を営む勇寿憲さん(61)が、兵庫県丹波篠山市藤坂1086に旅籠・囲炉裏料理「藤坂屋」を昨秋オープンし、じわりじわりと人気を集めている。築約120年の古民家を改修した一日1組限定の宿と、可能な限り地元から調達した食材で勇さんが腕によりをかけた囲炉裏料理を提供している。現在、一般社団法人・丹波篠山キャピタルが運営する篠山イノベーターズスクールの11期生として農村での起業・継業のノウハウを学んでいる勇さんは、「藤坂集落の活性が藤坂屋の発展とイコール。素晴らしい藤坂の農産物をブランド化し、自然や風物など藤坂の魅力を精いっぱい発信していきたい」と話している。

落ち着いた雰囲気が漂う畳の間
明治期に建てられたという農家の母屋を改修し、妻のしのぶさんと切り盛りしている。一棟貸切りで宿泊料は、1泊5万5000円―6万6000円(朝食付き。定員5人)。落ち着いた雰囲気の畳の間やベッドルームがあるほか、75インチの大画面テレビ、フリーwi―fi、シャワー、トイレなどを完備している。夕食は一人5500円で囲炉裏のコース料理を提供。地元で収穫した野菜を使った前菜や焼き野菜、和牛のグリル、焼き魚、猪肉のみそ焼きなどのメニューを用意している。
黒枝豆の収穫体験やホタルの鑑賞ツアー、藤坂のパワースポットで県指定天然記念物にもなっている巨木「大桂」を巡るトレッキング、餅つき体験など、田舎ならではの多彩な体験メニューも提供できるという。

2つのベッドを備える寝室
広島生まれ、岡山育ち。テレビ局のプロデューサーとして地域創生番組を手がけた経験がある。観光協会や自治体と協同して観光資源のブランド化、マーケティング、受け入れ環境整備を一体的に行い「観光地域づくりの司令塔」となる、国土交通省観光庁が展開する「観光地域づくり法人(DMO)」で活躍。その後に個人で観光コンサル業を営み、旅行者目線で日本各地の魅力を探ろうと、妻と共にキャンピングカー生活をしながら、北海道から沖縄までを転々とした。
コンサル依頼を受けた場所へ向かう途中に藤坂集落を通過した際、「古き良き、日本の原風景が色濃く残る素敵な地域」と一目ぼれ。2023年2月、あこがれの地で空き家が見つかり、移住した。
仕事柄、全国各地の田舎で数多くの空き家や耕作放棄地を目にしてきた経験から、自分の仕事づくりを通して地域を盛り上げていけないか、と考え、深い山々から流れ出るきれいな水と朝晩の大きな寒暖差が育む藤坂のおいしい農作物をブランド化し、地域全体の収入が上がる仕組みづくりをしていこうと、藤坂屋を開業した。
当初は、観光客を主な顧客層と想定していたが、想像以上に地域住民の支援があったため、宿泊者の利用がない木・金曜にランチ(午前11時―午後2時)を、水・土曜にはディナー(午後5―9時)を提供している。
藤坂屋の詳細や最新情報はホームページ、インスタグラム、フェイスブックで発信している。


























