篠山市河原町の篠山川沿いに生えているムクノキの大木に100羽近いサギが巣を構え、 近隣住民はふんの悪臭や夜通し響く鳴き声などの被害に悩んでいる。 これまでに市や同地区の自治会は、 巣を落としたりロケット花火による追い払いなどを試みたが、 いずれもうまく行かず、 関係者は対応に苦慮している。
サギの仲間の多くは、 集団で営巣し、 多数の巣が集まった 「コロニー」 (集団営巣地) を形成する習性がある。 このムクノキでは3年前から本格的な営巣が始まったそうで、 年々、 規模が拡大。 最初はアオサギが多くを占めていたが、 昨年からダイサギやゴイサギも加わり、 今年はこれまでにないほどの大所帯に膨れ上がった。
コロニーのそばに住む上河原町の北場弘忠自治会長によると、 「夜通し鳴いてうるさい」 「ふんで洗濯物が汚れ、 においも強烈。 このままでは病気になる」 などの苦情が近隣住民から寄せられているという。 「以前、 巣を落とすなどの作業を行ったが、 すぐに舞い戻ってきた」 と北場自治会長。
市職員と同自治会役員らがコロニーめがけてロケット花火を撃ち込み、 追い払いを行ったが、 ロケット花火の音に住民から苦情が出たため中止。 営巣木のムクノキを伐採しようとの意見も出たが、 篠山の名木に選定されているほどの大木を安易に切れず、 打つ手なしの状態だ。
写真・サギが“鈴なり”―。 集団営巣地となっている河原町のムクノキ