「共助」と「共苦」

2014.08.28
丹波春秋

 先日、弊社社員有志と一緒に豪雨災害被災地へボランティアに行った。丹波市災害ボランティアセンターから指示された場所は春日町山田。水路を埋めた土砂のかき出し作業に励んだ。途中、雨が降ったため作業をやめざるを得ず、地元の人から感謝されたものの心苦しかった。▼阪神大震災を機に「共助」という言葉が注目されたと言われる。さらには東日本大震災を機に「共苦」という倫理が芽生えたともされる。苦しみを分かち合おうと務め、苦しんでいる人たちの支えに少しでもなれれば、とする連帯感。全国レベルでは人々の絆が結ばれつつあるが、ひるがえって市民レベルではどうか。▼氷上郡6町が合併して誕生した丹波市。それぞれの町に個性があり、一体感がなかなか生まれないと言われてきた。たとえば、世界的にも貴重な恐竜化石が発見されても、市全体での盛り上がりには欠けた。▼今年は丹波市制10周年。奇しくもその年に豪雨災害が発生し、市民意識の熟成度が問われることになった。「共助」「共苦」の精神を伴う市民意識を発揮するときが来た。それぞれにできることをしたいものだ。▼被災地でコオロギを見つけた。秋がそこまでやって来た。いつもなら、うれしく思う秋の気配だが、台風シーズン到来が真っ先に浮かび、不安な思いにかられた。(Y)

 

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