兵庫県の丹波市教育委員会は、 市内の小学校高学年児童 (4―6年) と中学生全員を対象に行った、 携帯電話とインターネットの利用に関する今年度の実態調査の結果をまとめた。 全体の所持率は昨年の調査より上がり、 中学3年生の男子を除く全学年で所持率がアップ。 小学生全体で14・7%と、 昨年より5ポイント近い大きな伸びとなり、 小学生では学年による所持率の差が見られなくなり、 低年齢化が進んだ。 また、 中学生の所持率は27・2%と、 2・3ポイント増加した。
所持率のうち、 小学4年生は男子で13・3% (前年比6・5ポイント増)、 女子が18・5% (同8・8ポイント増) と小学校の他学年より伸び幅が大きい。
携帯電話を所持していると回答した児童生徒に聞いた 「携帯電話の使用状況」 では、 小中学生とも親や家族との通話が最も多かった。 2番目に多いのが中学生では 「友達とのメール」、 小学生では 「親や家族とのメール」 と違いが出た。
また、 これまでの調査で、 「インターネットや携帯サイトを見る」 の中に含んでいた、 「SNSサイトで仲間と楽しむ」 を独立の項目として取り上げたところ、 小学生の3・6%、 中学生では17・3%と6人に1人が利用していることが分かった。
1日のうち携帯電話を使う時間は、 小学生では 「30分まで」 が72・8% (同5ポイント増)、 中学生では 「2時間以上」 が33・1%と、 前年より3・6ポイント減ったが、 依然3人に1人が2時間以上の時間を割いている。 中学生では 「1時間半以上」 が男子で43%、 女子では52%と、 半数以上を占めた。
1日に携帯電話でメールする回数は、 小学生では40・2% (同4・8ポイント増) が 「ほとんど使わない」。 「1―10回」 が45・3%と最多。 中学校では、 「1―10回」 (29・9%) と、 「10―30回」 (29・2%) が拮抗。 「50回以上」 の割合は、 前年より7・1ポイント減の12・1%。
「携帯電話の使い方のルール」 は、 小学生では昨年より4ポイント多い59・6%が 「決めている」 とした一方、 中学生では41・8%と6ポイント減り、 家庭での約束なしに自由に使っている割合が増えた。
ルールの中身の最多は、 小学生は 「通話やメールをする相手」、 中学生は 「インターネットの使い方」。 昨年度は 「1か月に使う料金」 が多かった。 市教委は、 「共有動画サイトを用いたネットいじめがメディアで取り上げられ、 学校の指導や啓発活動で保護者の意識が情報モラルにも向き始めていると考えられる」 と分析している。
一方、 「子の安全のためにと親が購入した携帯電話を、 子は、 (不特定多数の) 外部とのコミュニケーションツールとして使っており、 ズレが生じている」 と、 利用のルール化などを改めて考えるよう警鐘を鳴らす。
また、 低年齢化は、 「割引料金など、 コストが下がったことが一因では」 と見ており、 新年度はこれまで調査未実施の小学3年生も調査対象に加えられないか検討する。