「おめでとう」で「見守り」に 新生児訪問事業スタート 篠山市民生児童委協

2013.05.19
ニュース丹波篠山市

写真・子育て支援事業 「はじめましてニコニコ訪問」 を行う前に研修を行う民生児童委員ら

 篠山市民生委員児童委員協議会 (137人、 岩谷晃圓会長) は新年度から、 地域で生まれた赤ちゃんと保護者に祝福の言葉と記念品をプレゼントする、 篠山独自の子育て支援事業 「はじめましてニコニコ訪問」 をスタートする。 「篠山で生まれてくれて、 産んでくれてありがとう」 という気持ちを伝えることを第一にしながら、 若いお母さんたちと声を掛け合える関係を築くことで、 悩み相談などが気軽にできる地域をつくりたい考えだ。

 現在、 市では保健師や助産師が、 生後間もない時期から4カ月までの間に、 各家庭の全戸訪問を行い、 赤ちゃんの成長の様子を見たり、 保護者の不安や悩みを聞きながら支援を行っている。

  「ニコニコ訪問」 では、事前に保健師らから訪問を伝えてもらった後、 地域の民生児童委員と主任児童委員が家庭を訪問。 記念品のオリジナルハンカチをプレゼントし、 祝福の言葉を贈る。

 10年ほど前から考えていた事業。 昨年1年間をかけて構想を練り、 今年3月以降に生まれた赤ちゃん宅を訪問できるように計画を進めてきた。

 背景にあるのは全国的に乳幼児に対する虐待が増えていること。 2004年9月に栃木県で発生した児童虐待死事件以降は、 児童虐待防止の 「オレンジリボン運動」 が始まり、 兵庫県でも 「ひょうごオレンジネット推進事業」 として、 子育て中の親と子どもたちの支援事業が展開されている。

 14日に篠山市民センターで行われた同協議会の総会後に研修会を開き、 市保健師の臼井幾子さんが市の事業や産後間もない親への支援などを紹介。 出産直後の母親について、 体やホルモンバランスの変化で気持ちの揺れが激しくなる 「マタニティーブルー」 があることや、 完璧な子育てをしようとがんばりすぎて疲れてしまうことがあることなどを説明した。

 その上で臼井さんは、 「『こんにちは』 や 『最近どう』 だけでも声を掛け合える関係ができれば、 悩みを伝えてくれることもあるので、 委員のみなさんにも協力してもらい、 みんなで子育てを守っていけるような地域にできたら」 と呼びかけた。

 主任児童委員の小嶋賢子さん (67) は、 「とにかくまずは、 赤ちゃんの誕生を地域みんなが喜んでいるということを伝えたい。 そして、 もし何か困っていることがあれば、 相談を受けられるような関係をつくっていきたい」 と話していた。

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