9月27日夜、ワイングラスを手に中秋の月見。とは言え、よくよく見れば心なし角張っているようだ。乱視もかくまで進んだかと嘆いていたら、翌朝の新聞に「昨日は十五夜、今夜がスーパームーン(地球最接近のため大きく見える満月)」とあった。▼国立天文台のネット情報にも「名月必ずしも満月ならず」。名月(十五夜)と満月のズレについての説明によると、月の満ち欠けの周期は29・5日なので、新月から満月になるまでの期間(月齢)は平均約14・8日だが、楕円軌道のため13・9~15・6日とかなりばらつく。従って満月は十五夜より最大2日遅れ、ごくまれには1日早まることもあるという。▼今年の場合、28日午前11時51分が満月だった。白昼は見えないので、午後7~11時頃の時間帯なら同日の方が27日より満月に近いわけだ。28日、この目で確かめようと宵の口から待ち構えていると、彼女は長らく待たせた後、たなびく雲間に恥じらうようにわずかに顔を見せ、成程それはすんなりと丸かった。▼天文台のデータでは、2001年からの20年間に中秋の名月が満月なのは7回だけ、昨年以降7年間はずっと1~2日遅れが続く。▼もっとも、完全無謬な目鼻立ちなのが必ずしも美人ではない。やはり十五夜が名月なのだろう。名月やいびつな箇所の愛しける(E)