縁あって弊社が印刷上の制作に携わった本『問わずにはいられない』(あうん社発行)が発刊された。学校でのいじめや、部活動での度を越した指導などで我が子を亡くした全国の家族らが手記を寄せた本だ。痛切な訴えがつづられ、胸を打つ。▼教えられたことがいくつもある。子を亡くした家族に対する周囲の理不尽さもその一つだ。学校や教育委員会などの当事者だけでなく、周りの親など第三者もともすれば不誠実な対応に陥る。▼いじめによる自殺という事実に寄り添うことに疲れた第三者は、被害者側に問題があったという噂に耳を傾けることがある。たとえば「実は亡くなった子は親のことで悩んでいた」「あの子は精神的な病気があったらしい」など。これらの噂をうのみにすることで、決着をつける第三者がいる。▼事実とは違う虚偽の情報。被害者側にはそれを食い止めるすべはない。子を亡くした悲しみの上に、苦しみがのしかかる。被害者に対する理不尽極まりない仕打ち。そんな仕打ちに加担しないためにも、悲しみを繰り返さないためにも意識の覚醒が求められる。同書が問いかけている相手は、子を持つ親や教育関係者だけではない。▼同書に関する連絡はL.C.研究所(06・6430・9306、ホームページ