広島カープが25年ぶりにリーグ優勝。筆者はヤクルトファンだが、親戚のようなもので、めでたい。▼セ・パ両リーグ制が発足したのは1950年、筆者が小1の時だ。当時、「野球少年」という雑誌があり、ずっと熱心に愛読していた。「南海の柚木が19勝7敗でパ最高勝率」とか、「ホームラン王にセ杉山、パ深見」と言った写真ニュース記事を、贔屓チームでもなかったのに何故かはっきりと覚えている。▼「親会社がなくて貧乏な広島のために、市民が街頭で募金している」といった記事も載っていた。広島には白石、長谷川といった大物選手もいたが、だぼだぼのユニホームが、南海のグリーンのストッキングのカッコいいのと対照的だった。▼広島は最下位続きで、パの近鉄と並んでお荷物と言われていたが、国鉄(現ヤクルト)、大洋(現DeNA)もそろって弱かったお蔭で創設4年目からは4位か5位。19年目にようやく3位に入った。▼1975年にリーグ初優勝、そしてやがて元パのお荷物、近鉄と日本シリーズで対決した時は、時代の変化を実感した。▼今年の日本シリーズは久々に東京、大阪圏以外の球場で行われる公算が強い。ヤクルトも東京を脱出して、野球熱の高い四国とか、人情の厚い新潟辺りに本拠を移したら、もっと入場者を増やせるだろうに。(E)