アカデミー賞で監督、主演女優賞をとったミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」を観たら、こんな場面が。パーティーからの帰り際、彼女から「ボードの私のキー取って」と頼まれた彼、「車種は?」「プリウス」「たくさんあってわからないよ」。再三登場する愛車をトヨタが無償提供したのか。トランプ氏がきっと地団駄を踏むだろう。▼シカゴ在住の日本人の友人が言うには、「日本車のねじはセンチ規格で米国内にもメンテ網がしっかりある。米国車が日本で売れないのはインチ規格で修理に往生するからだろう」。そう言えばやはりセンチ規格のドイツ車はよく見かける。▼大統領が言う「関税」は70年代にとっくに片付いていて、日本に入る車の関税はゼロ。要は米メーカーの姿勢の問題だ。80年代、「プラザ合意」で円は一気に引き上げられたが、日本企業は血のにじむような努力で乗り切った。▼トランプ氏は「ドルは高いのと安いのと、どっちがよかったっけ」と夜中に側近に電話したらしいが、米国の競争力はどんどん落ちる一方だ。▼経営破綻し政府の庇護を受けた米国車メーカーはトランプ氏の脅しでメキシコへの工場進出を撤回し、国内へ戻すという。すると賃金が相対的に高くなり一層競争力を弱めるだろう。こんな初歩的な理屈が分っていない?(E)