奏でる楽しさ伝える
ピアニストとして地域の音楽イベントでソロ演奏や伴奏を務めたり、自宅でピアノ教室を開いている。毎年、「丹波の森国際音楽祭シューベルティアーデたんば」の街角コンサートに出演し、高い技術を披露している。
5歳からピアノを始めた。近所のピアノ教室に通って腕を磨き、進修小、春日中を経て、レベルが高いことで知られる県立西宮高校音楽科に進学。3年間、ピアノ演奏に打ち込んだ。
高校1年時にオーストリアに数週間、大阪芸術大学在学中にはドイツに1カ月間、それぞれ留学し、現地のピアニストから指導を受けた。学生時代には数々の賞を受賞し、大学卒業と同時に地元での演奏活動を始めた。
ピアノをやめようと思ったことがあったという。高校2年のとき、両手ともに腱鞘炎を発症。大学受験を控え、もっとも演奏に力を入れなければならない大切な時期に満足に練習できなかった。受験は何とか乗り切ったものの、大学入学後に再発。「地獄の日々でした」と言い、力を抜いて演奏することの大切さを学んだという。
ソロ演奏を披露する際、クラシックを中心に奏でる。中でもドイツの作曲家・ブラームスの作品がお気に入り。特に亡くなる直前に仕上げた作品が好きで、腱鞘炎で演奏できなかったときの思いと重なり、感情が入るという。
ピアノ教室に通う子どもたちには、「曲のイメージ」をつかんで演奏する大切さを語りかけている。「ピアノは一人でも練習できるので孤独を感じることもあるけれど、その先に楽しさがあることを伝えたいですね」。26歳。結婚して大西姓に。