政治に市民の思いつなぐ
篠山市の市名を「丹波篠山市」にするか否かを巡る篠山市初の住民投票と市長選挙(ともに11月18日投開票)を取り仕切る市選挙管理委員会の委員長。「市民の中に深く、長く記憶に残っていくことになるであろう住民投票と市長選。特に住民投票は投票率が50%を超えないと開票されないので、何としても投票に行っていただき、成立させてほしい」と訴える。
同市役所を退職後、2011年から委員長に就任し、現在、2期目。「田んぼでトラクターを運転している時に、選挙管理委員会から電話があったことをよく覚えている。頼まれたら断れない性格で」と笑う。
委員長になったことで、より選挙を身近に感じるようになった。「選挙は民主主義の根幹であり、原点。そして、選管には、国政でも県政でも市政でも、市民の思いを政治につなぐ役目がある。無駄な選挙は一つもない」と語る。
2期の間には、全種類の選挙を経験。1票差で当落が分かれた選挙もあり、候補者の悲喜こもごもを目の当たりにしてきた。
そして、来月には全国でも数少ない住民投票。「個人的に、市名は市民のみなさんが自分自身のアイデンティティーを考える問題だと捉えている。他人事ではなく、自分事として考えて」と呼び掛ける。
一方、大切な選挙だからこそミスは許されない。「選挙は100点が当たり前で99点でもだめ。しっかりと、公正に、クリーンに選挙を管理していきたい」と意気込む。
普段は黒豆と米、栗を栽培。「退職後に農業を始めたので四苦八苦。地球と戦っています」とほほ笑む。69歳。