母子保健奨励賞を受賞
母子保健の向上に顕著な功績があり、これからも優れた活動が期待できる個人に贈られる今年度の「母子保健奨励賞」を受賞。篠山市発足後は初、全国15人のうちの1人という栄誉にも、「同僚や後輩、育ててもらったお母さんや子どもたちみんなで頂いた賞です」とほほ笑む。
1987年、旧篠山町に保健師として入庁。市合併以降は、母子保健の支援体制づくりのリーダーとして活躍した。
旧町ごとに開催回数が異なっていた母子健診を一本化することで毎月1回開催にし、医師や臨床心理士などを確保することで健診レベルの向上にも努め、問題の早期発見につながる体制を構築した。
また、幼児のう歯(虫歯)予防にも尽力。1歳半健診でほとんどないが3歳になると急増していることから、間の2歳に歯科検診を設けることで虫歯の発生を抑制。89年に3歳児で50%を超えていた虫歯は、2017年には約20%にまで減少した。
また、神戸大学とともに市独自の「4歳児質問票」を作成し、就学前に発達状況を検査することで、より迅速な相談につなげる体制を整えた。
父から「女性も資格を取って食べていけるように」と勧められたことが保健師になったきっかけ。「市職員としても、一人の市民としても、信頼される人間になる」を信条に、市民の健康を守ることで地域に貢献する。
気になっているのは、親の経済的な問題や虐待など、以前はなかった問題が起き始めていること。「『助けて』と言えないお母さんたちに、丁寧に、きめ細やかに、切れ目のない支援をしていきたい」
趣味は健康のためのマラソン。54歳。