暖かくなり、野道を歩いていると、ヘビに出くわすようになった。

2006.12.27
丹波春秋

暖かくなり、野道を歩いていると、ヘビに出くわすようになった。不意に目の前にあらわれると、どきりとする。なんでも春日町で二つの頭を持つヘビが見つかったらしい。そのヘビには悪いが、気持ちのいいものではない。▼ヘビが好きだという人もいるだろうが、嫌いな人が圧倒的に多かろう。では、なぜ嫌いなのか。一説によると、太古の記憶だそうだ。大昔、爬虫類が地球を支配した時代が長く続いた。哺乳類の祖先は、爬虫類におびえながら暮らした。その記憶が残っているから人は、ヘビをはじめとした爬虫類が苦手なのだという。▼なるほどと思う説だが、古代、人はヘビを神としてあがめた。縄文土器の紋様にもされた。それは、ヘビが再生の生き物だったからだ。脱皮をし、新しく生まれ変わるヘビは、死んでも復活する生命の象徴だった。かつての日本人は、人は死んでも、この世に帰ってくると信じた。▼さて、現代。死んでも生き返ると考えている子どものことが話題になっている。ある調査によると、小学生高学年の計7割近くが「生き返る」「生き返ることもある」と答えている。▼これは、よく言われるように、テレビゲームなどのバーチャル社会の影響なのか、子どもの生活から死が消えたためなのか。それとも、古代人の記憶が基底にあるのか。興味のあるところだ。(Y)

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