陶板作家 小野 優子 (おの ゆうこ) さん

2006.04.16
たんばのひと

『陶芸の里』で創作活動
陶板作家 小野 優子 (おの ゆうこ) さん (栃木県益子町在住)
 
 1949年 (昭和24年) 新潟市生まれ。 旧姓河合。 小学4年生で篠山市北新町の父の実家へ。 篠山鳳鳴高校卒。 京都女子大家政科、 関西美術院、 神戸芸術学林、 瀬戸窯業高校陶芸専攻科卒。
 
 柳宗悦とともに民芸運動を起こした陶芸家、 濱田庄司が定住した栃木県芳賀郡益子町で、 夫の正穂さんと 「小野窯」 を開いている。 夫が作った作品の絵付けなどを担当していたが、 21歳と19歳 (双子) になる3人の息子も大学などに進んだため、 これからは自分の創作活動に本腰を入れるつもりだ。
 子育てや家事をしながら長い間温めていた夢が、 ようやく手の届くところまで来た。 陶器の板に絵付けした 「陶画」 を軸に、 水彩画や水墨画も発表していきたいという。
 小さいころから絵が好きで、 「絵描きになろうとずっと思っていた」。 家族のすすめで大学の家政科に進んだが、 「親に内緒で」 学校の近くにあった美術専門学校へも通うように。 さらに別の美術学校で油絵を学んだ後、 愛知県立瀬戸窯業高校陶芸専攻科に入学。 そこで、 大手メーカーを脱サラして陶芸家を志していた正穂さんと出会った。
 益子町で5月15日から6月3日まで、 「益子国際陶芸祭2006」 が開かれる。 ヨーロッパやアジア、 アメリカなどから陶芸家16人が来町し、 期間中に登り窯で焼いた作品を展示販売する一大イベントだ。 英語がたん能な正穂さんは、 実行委員長として各国の作家との交渉に奔走。 優子さんは食事ボランティアをまとめる裏方として忙しくなりそうだという。
 先日、 初めての夫婦2人展をふるさとの篠山で開き、 好評を呼んだ。 「何年かに一度は篠山で作品展を開きたい。 次は3年後くらいでしょうか」 とほほ笑む。
 父の仁 (ひとし) さん (河合医院前院長)は、 地元では有名な 『河合兄弟』 の長男。 京都大学名誉教授の河合雅雄さん、 文化庁長官の隼雄さんらの姪にあたる。 「盆や正月に帰ってくるおじさんたちの話はすばらしく面白かった」 と遠い日の思い出に目を細めた。

(徳舛 純)

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