阪急交通社社長 小島 弘 (おじま ひろし) さん

2006.03.12
たんばのひと

旅行と国際物流柱に
阪急交通社社長 小島 弘 (おじま ひろし) さん (東京都在住)
 
1943年 (昭和18年) 篠山市般若寺生まれ。 61年篠山鳳鳴高校卒。 同志社大経済学部を卒業後、 65年に阪急交通社に入社。 西日本国際輸送営業本部長などを経て、 97年に取締役に就任以後、 常務、 専務を経て2003年から社長。
 
 旅行業と国際物流の二本柱で取り扱い高が業界四位の阪急交通社 (本社・大阪市) の社長。 社員数約2000人でグループ全体で約4300人。 特に海外旅行は、 JTBに次いで2位と好調。 会員向けに350万部を発行する月刊誌 「トラピックス」 が人気。 手ごろな価格の盛り沢山なコースを紹介する。
  「旅行の参加者からのアンケートを即座に集計し、 次の企画に生かせるように改善し、 常に顧客の満足度を高める商品開発に努力をしている」 と話す。 「ターゲットは、 中高年が中心。 特にヨーロッパが強い。 グルメ、 歴史、 音楽など知識欲をくすぐるような旅行が受けているようだ」
 国内旅行では、 新しく開港した神戸空港から参加するミステリーツアーが早々と定員いっぱいになった。 「新空港が関西の経済力アップにつながれば」 と期待。 「篠山の黒豆を賞味していただくツアーもありますよ」 と故郷への思いも強い。
 一方、 国際物流は、 入社以来歩いてきた分野。 海外に63カ所の拠点を持つ。 国際化が進むなかで、 企業製品、 部品を運ぶ物流のマーケットは広がる一方。 「それだけに、 競争も激しい。 ITを活用した海外ネットワークを充実させ、 高品質な物流サービスを提供したい」 と意気込む。
 「ニューヨークに6年駐在したことが一番の思い出。 海外から日本をじっくり眺められた」 と振り返り、 「日本の輸出製品の主力が繊維から電化製品、 自動車などへと変化する経済の歩みを、 身をもって体験できたのが面白かった」と語る。海外で仕事をしたいという少年時代の夢をかなえた。
 大阪と東京を往復する多忙な毎日。 「同級会や親戚の集まりには、 こまめに顔を出すようにしています。 高城山や弥十郎ヶ岳などを見ていると子ども時代を思い出します」 と第一線の経営者の顔がほころんだ。

(臼井 学)

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