株式会社 谷垣社長 谷垣春男さん

2007.07.17
たんばのひと

「仕事で1番」めざし
(たにがき・はるお)枚方市在住

1937年 (昭和12年)、 丹波市氷上町生まれ、 旧姓足立。 1955年柏原高卒。 66年、 「谷垣包装社」 として守口市で個人営業。 76年に株式会社谷垣を設立。

 食品向けの袋用のプラスチックフィルムの印刷・加工を手がける。 40年前、 包装資材の会社員から独立し、 一代で 「株式会社谷垣」 (本社大阪府守口市) を築き上げた。 枚方市にある工場は6階建てのビル。 従業員約50名、 売上高16億円で、 業界100位以内に入り、 製品分野によっては数社でシェアを分かつ。
 柏原高校時代は学年でただ1人、 3年間無遅刻無欠席。 「家に帰れば牛や鶏の世話をしなければならないので、 学校にいた方がよほど楽しかった」。 勉強が好きだったが、 8人兄妹なので進学はあきらめ、 大阪に出て就職。 その代わり、 仕事で1番になろうと決意した。
 売り上げ業界トップという包装資材の工場で 「毎朝6時に起き、 夜11時まで」 猛烈に働き、 数年後には現場を任されるまでになったが、 「経営者の理念がもう一つ伝わって来ず、 自分も負けん気が強かったので」 10年で退社。 2年ほど浪人してから、 1人で今の仕事を始めた。
  「顧客第1に、 常に喜んでもらえる商品作り」 をモットーに、 「前の会社の良い所を取り入れ、 悪い所はやめる」 やり方で、 右肩上がりの時代、 順調に売り上げを伸ばした。 ただ、 バブル経済がはじけてこの方、 経営環境は厳しい。 商品が多様化しているうえ、 競争は激化。 「原料高の製品安」 という構造的問題を抱えている。 さらに、 衛生や環境面に配慮しなければならず、 設備にも一層のお金がかかる。
 しかし 「まあ、 仕事が好きやからここまで来れた」 といい、 今後生き残るための課題として 「よりクリーンな工場を作り、 医薬品やIT関連に対応する」 戦略を練っている。
 根っからのふるさと思い。 若い頃から月給の一部を、 青垣町の養家の伐採された山の植林のためにつぎ込んできた。 今では立派に成長した杉や桧を、 帰郷するたびに自ら見て回る。「やはり、丹波があって今の自分がある」。(外野英吉)

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