サンキスト・パシフィック代表取締役 山本喜則さん

2010.02.08
たんばのひと

オレンジ輸入一筋に
(やまもと・きのり)千葉市在住

 1944年 (昭和19年) 丹波市市島町生まれ。 柏原高、 神戸商大商経学部卒。 食品専門商社でかんきつ類の輸入関係の仕事に30数年間携わった後、 99年にサンキスト日本法人に転じ、 2001年から代表。

  「サンキスト」 と聞けばすぐ、 オレンジやレモンを連想するなじみ深いブランド。 米国カリフォルニアに本社のあるサンキスト・グロワーズ社は、 かんきつ類生産農家で構成され、 百年以上前に創立。
 日本法人代表の山本さんは、 9人の従業員と共に、 市場調査と広報宣伝を担っている。 「英語名の語源はSun Kissedです。 丹波のみなさんにもぜひ、 今が旬のオレンジを味わってもらいたい」。
 大学卒業後就職した貿易会社でかんきつ類の輸入を担当し、 24歳から5年間ロサンゼルスに駐在した。 「アメリカ生活はビジネスマンとしての原点です。 契約書なし、 電話一本で商品が動く相互信頼のこの業界に身を置いて、 当時からの人脈で生きていますが、 人を見る眼だけは自信があります」。
 40年余りの間には、 日本市場の自由化、 またここ10年ほどで流通が北半球から南半球まで広がるなど、 急激な変化があった。 「サンキストが席巻していた市場が競争の激しいダイナミックな市場に変わってきたのです。 最近は中国市場が著しく拡大しています」。
 仕事一筋だった生き方を顧みて、 50代後半からプライベートの生活を充実することを心がけるようになった。 登山、 ゴルフ、 温泉巡り、 囲碁、 スキーなど多趣味。 「日本百名山のうち86まで踏破し、 あと2年で完遂します」。
 最近は故郷に回帰する自分に気づく。 寒い朝は、 「丹波は雪が降っているかな」 とインターネットで検索。 毎年の墓参りは車で行き、 帰途は近くの温泉に立ち寄って戻るとか。
 丹波の若者に対してのアドバイス。 「どんどん海外へ出ていってほしいですね。 日本を外から見て、 丹波の良さを再発見してほしい」。 (上 高子)

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