篠山市の中心市街地を活性化させる事業母体となる第3セクター 「株式会社まちづくり篠山」 の社長に就任した。 同社の事業内容として、 ハード、 ソフト両面から29事業を構想に盛り込んでおり、 商店街のにぎわいを取り戻すためのさまざまな事業を展開する。
「会社といっても何の資本も財源もないので、 一種のNPO (特定非営利活動法人) のような組織。 純粋な民間事業者であれば、 立地条件や効率を考えるが、 われわれは人々があまり目を向けなくなった場所に、 以前の活気を取り戻す開拓者でもある。 にぎわいのある祭があり、 新規のビジネスチャンスがあり、 若い人が住みたいと思えるまちにしたい」
「活性化させる一つのキーワードはIT。 伝統的なものとITを結びつけ、 篠山らしさを発信し、 街中に人を呼び込みたい。 そのためにホームページによる物産品の通販カタログ作成を計画している。 また、 減少傾向にある中心市街地の人口を増やすために、 空き屋、 空き店舗を活用し、 空いている優良な土地の活用についても行政にアイデアを出していきたい」
「大きなハード事業については、 住民の意見を集約することから始める。 また、 より専門的な人から情報を得ながら議論することも大切だ。 課題は、 明確な目標と、 強いリーダーシップ。 自分自身の経験やノウハウが役に立てばと思うが、 一人の力ではとても無理。 市、 県、 国をはじめ、 商工会、 観光協会などの関係団体との連携を密にし、 あせらず一つずつ進めたい」
「事業の対象となる中心市街地のエリアが定められているが、 それは補助金の関係からであり、 良い事業はエリアにこだわらず、 どんどん取り入れ、 全市的にできるだけ多くの人に参加してもらいたい。 外の活性化が中心市街地の活性化につながり、 当然、 その逆もあると考えるからだ」
同社の取締役には、 主に30、 40歳代の若手が選出された。 いずれも自身の事業所をはじめ、 地域でも活躍している人ばかり。 それぞれの経営感覚やノウハウ、 バイタリティーをまとめ、 先導していくリーダーとしての手腕が期待される。 篠山市乾新町。 50歳。(S)