交通安全教育に携わる警察署員の技能向上を図るため兵庫県警が初めて実施した、 「県下交通安全教育技能コンクール」 で最優秀賞を獲得した。 2005年3月に丹波署交通課に着任し、 同年11月から交通総務係長として交通安全教育などを担当。 昨年は市内で199回の 「出前式交通安全教室」 を開催するなど、 きめ細かく地域をまわり交通安全啓発に力を注いでいる。
「コンクールのテーマは、 高齢者対象の交通安全教室。 昨年、 兵庫県内の高齢者死亡事故数が、 全国ワースト1位だったことを受けて、 決められました。 阪神ブロック12署による予選を2位で突破して、 県内5ブロックの代表9署が出場する県警本部での決勝に進みました。 『他人がやっている教室を見る機会はないので、 勉強になる』 という気持ちで参加したので、 優勝する気はありませんでした。 1位で自分の名前が呼ばれた時は、 『まさか、 なんで』 と驚きましたね」
「普段やっていることを出そうと、 コンクールには、 丹波市での教室と同じように私一人で出場しました。 10―12分の制限時間内に、 棒を使った反射神経のテストなど、 高齢者の身体能力の衰えを説明する内容を実演し、 最後は 『心のブレーキ』 の大切さを訴えました。 安全確認などは、 何かの動作をしながらやっても意味がありません。 『心でブレーキをかけて、 少し立ち止まる』 ことがすごく大切です。 市内で教室をする時は、 いつもこの話で締めくくっています」
「交通安全教室は効果がすぐには見えず、 地道に活動を続けるしかありません。 最優秀賞は、 いつもの自分のやり方が評価されたということで、 うれしいです。 今まで以上に背筋を伸ばして、 活動していきたい。 賞が宣伝になって、 教室の依頼がたくさん来るようになれば、 なによりです」
父親も警察官。 地域にとけ込んでいた姿は、 今も手本になっている。 交通安全教室では、 お年寄りとこたつに入って話をすることも。 「気軽に相談できる警察官」 を志し、 日々地域に出かけている。 神戸市出身。 三田市在住。 警部補。 54歳。(古西広祐)