丹波市旧6町の名所や特産を織り込みつつ、 春夏秋冬へと変化する様子を描いた 「丹波市音頭」 の作詞者。 新年賀詞交歓会では、 振り付けとメロディーが加わった完全版の音頭がお披露目された。
「自分が書いた歌詞に、 想像以上の出来のメロディーと踊りが付いているのを見た時は、 感無量でした。 次の楽しみは、 お盆にみんなが踊っているところを見ること。 そして、 自分も輪の中に入って踊りたいです」
「昔から歌は大好きでした。 でも、 作詞は初めての経験。 市花や市木、 各町の名所や特産などを織り込むことに苦労しましたが、 出来上がった時は、 とてもいいものができたと感じました」
「20歳くらいから戦前戦後のSPレコードを集め始め、 今では1000枚以上を数えます。 昔の流行歌は、 今と違って小さい子からお年寄りまで、 みんなが歌えるものばかりだった。 そんな曲を聞いてできた音頭なので、 とてもオーソドックス。 地元にいる人だけでなく、 就職や結婚などで市外にいる人も、 口ずさんでもらえれば」
「市音頭のサブタイトルは、 『おいでな丹波へ』 ですが、 応募時は、 『行こうな丹波へ』 でした。 市に合併したとはいえ、 依然として旧町意識はあります。 そんな中で、 みんなで他町に 『行こうな』 という意味を込めました」
「集めたレコードの中には、 旧町ごと、 さらには集落ごとの音頭まであります。 でも、 新しい音頭ができるたびに、 消えていきました。 市音頭ができたことで、 逆に旧町や集落の音頭が見直されるきっかけになればと思います。 集落の祭りは、 地元のものを。 『市民みんなが集まる時には、 市音頭』 というようになればいいですね」
市音頭の歌詞には、 旧町を超え、 市を愛する心がにじみ出ている。 地域の人と楽しげに踊る炭野さんをぜひ取材したい。 本業は表具師。 丹波市柏原町柏原。 46歳。 (森田靖久)