本職は住職で、 アマチュア作曲家の横顔を持つ。 丹波ゆかりの作曲家、 中西覚さん (西宮市) が代表を務める 「作曲集団・たにしの会」 のメンバーとして活動し、 数多くの曲を作った。 集大成として、 兵庫交響楽団を迎え、 5月3日午後2時から丹波の森公苑で作品の演奏会を開く。
「中西先生は、 私と同じ柏原高校の卒業で、 市民オペラ 『おさん茂兵衛 丹波歌暦』 の台本や作曲を担当されました。 『たにしの会』 に入会したのは25年前。 発表会を聞き、 感動したのがきっかけで入会しました。 音楽の理論書を読むのは好きでしたが、 音楽大学を出ておらず、 それまで我流で作曲をしていた私に、 中西先生は丁寧に曲作りを教えてくださった」
「今回の演奏会の指揮者は、 恩師の中西先生以外にないと思い、 指揮をお願いしたところ快諾を得ました。 演奏会では、 柏原出身のピアニスト・多川響子さん、 市島出身の尺八演奏家・井本蝶山さんにも出演していただきます。 おかげで地元色を強く出せました」
「演奏会での曲目のひとつ 『交響的デカンショ』 は、 39歳のときに初めて作ったオーケストラ曲です。 華やかで、 荒削りの若さが感じられます。 演奏会の最後を飾る 『交響詩・富士』 は4楽章に分かれていて、 楽器の種類が多く、 演奏時間が25分もある大作です」
「たにしの会に入会以来、 たにしの会の発表会は17回あり、 毎回欠かさず新作を作ってきました。 演奏会では、 昨年暮れに作った新作も発表します。 92年から地元の劇団 『椎の実』 の音楽担当として、 劇で使う曲を作ってきました。 そのうちの一つも発表します」
プロの兵庫交響楽団を招き、 丹波市出身の新進演奏家も出演するという大がかりな演奏会。 3年前から計画、 準備を進めてきた。 その努力が報われる演奏会になってほしい。 入場料1000円。 丹波市氷上町沼。 明勝寺住職。 62歳。 (荻野祐一)