元篠山焼窯場の自宅を修理復元 今村俊明さん

2010.04.19
たんばのひと

 明治末期に 「篠山焼」 を興した初代今村静齋 (本名静治さん) の孫。 2代にわたり約20年間、 篠山市西町で開窯した静齋の自宅を修復し、 「ギャラリー陶々菴」 (http://to-to-an.com/) をオープンした。 中庭には窯跡が残り、 往時をしのばせる。 場所は西町交差点北西角。

    
  「ギャラリーは、 私の生まれ育った家屋です。 取り壊そうかとも考えたのですが、 昨年行われた 『丹波篠山築城400年祭』 のまち歩きプロジェクトに関わるなかで、 古い建物を有効に使おうという思いになりました」
  「初代静齋は1909年 (明治42) に篠山焼を始め、 茶陶器を主に制作しました。 若くして高い評価を受け、 関西を中心に多くのファンを持ちましたが、 33歳で病没。 その父源太郎が60歳を過ぎて2代目を継いだものの、 1935年 (昭和10) に亡くなり、 篠山焼は途絶えました」
  「祖母 (初代静齋の妻) と母親 (同娘) は、 私に篠山焼の跡を継がせようと、 子どもの頃からしょっちゅう静齋の焼き物を見せました。 しかし、 親から言われるとうっとおしく感じるもので、 祖父にも作品にも全く関心がなかった。 見方が変わったのは、 10年前に帰郷してからです。 将来、 退職して時間ができたら、 静齋の作品整理から始めようと思っています」
  「西町には、 新しくできたブリキ玩具製作所や江戸時代から残る町家など、観光スポットが点としてたくさん存在します。 それを線でつなぐのが夢。 『陶々菴』 もその1つとして参加できればいい。 篠山焼の歴史を掘り起こし、 伝えることが自分に与えられた役割なのかなと思っています」
 
   
 大阪、 広島、 京都、 東京でサラリーマン生活を送り、 今も役員として尼崎の映像関連会社に毎日通勤している。 趣味は多彩で、 フットワーク軽く飛び回る。 アカペラグループ 「アルバトロス」 代表。 西町自治会副会長。 60歳。     (古西 純)

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