東日本大震災による原発事故の影響で、 外で元気に遊べない福島県の子どもたちを受け入れるキャンプ 「どろんこキャラバン☆たんば」 を8月22―27日、 丹波市青垣地域を拠点に開いた。 福島からは約30人の子どもたちが参加し、 多くの丹波市民が、 人と物の両面から協力した。
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「子どもたちみんなが 『キャンプに参加したい』 と思っていたわけではなかった。 放射線が心配な親に行かされている子もいた。 丹波に来たときは疲れもあって、 とても暗い顔をしている子もいたが、 午後からは何かうっぷんを晴らすかのように遊んでいた。 福島ではできなくなった、 土に触れたり、 川で遊ぶことを丹波で思いっきりしてもらおうと計画した気持ちは伝えたいけれど、 子どもたちに押し付けているのかもしれないと考えると、 ボランティアの難しさを感じた。 それでも 『丹波にもっといたかった』 という声が聞けたのは、 うれしいことだった。 子どもにとっては特別な夏だったと思う」
「短期間に多くの人に関わってもらい、 無事に終えることができたのは、 今回だけの特別なことと思っている。 来年も同じやり方でするのは難しい。 京都や大阪でも同じような活動をしている団体があり、 それぞれの得意分野を生かすかたちで連携し、 継続できる道を探すことが大事になってくるだろう。 誰かにしわ寄せがいくこともなく、 少しずつ力を出し、 協力しあえる体制づくりが必要だ」
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きっかけとなる講演を聞いてから実施までわずか1カ月半。 何もないところから動き始め、 さまざまなかたちで協力した人は、 把握しているだけで300人を超えるという。 「とにかく動こう」 というまっすぐな思いが、 周りの人に伝染し、 心を動かしたのだろう。 継続的な活動に発展することを願いたい。 NPO法人バイオマスフォーラムたんばの理事長も務める。 丹波市柏原町柏原。 33歳。(S)