丹波栗生産組合 初代組合長 足立 義郎さん

2011.10.02
たんばのひと

 丹波ブランドの代名詞、 「丹波栗」 の生産拡大につなげようと、 丹波市のクリ生産者で設立された生産組合の初代組合長を務める。 「拾うクリ」 から 「育てるクリ」 へ転換し、 ブランドに負けない産地づくりをめざす。

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  「大粒のクリを作るには、 植える時の間隔や、 日当たりを良くするせん定などの知識、 技術が必要になる。 同一の栽培管理されたクリでなければ売りにくいので、 施肥や防除基準を守り、 組合員全体でいいクリを作りたい」

  「10年前にクリ栽培を始めた時は、 教えてくれる人が周囲におらず、 枯れたり、 凍害にあったりと、 失敗続きで高い授業料を払った。 これから新植する人には、 基礎から技術を教え、 スムーズに栽培ができるよう支援したい。 指導者が必要で、 農業改良普及センターには長く勤務する専門家の配置をお願いしたい」

  「丹波市内には、 私より20歳、 30歳年上の研究熱心な先輩らが多く入会されているくり振興会があり、 私も振興会で教わった。 年齢を重ね、 長く栽培できるのもクリの魅力。 定年帰農の人たちが取り組んでくれたら」

  「三方のクリ、 石戸のクリ、 福田のクリのようなまとまったクリ園はあるが、 放置されたクリ園が多いのが現状。 和歌山に行くと梅林が広がっているように、 産地として、 丹波市内に、 団地化されたクリ園を作れれば」

  「果樹と言われるものは、 みな手入れをする。 クリも手入れをという機運になり、 ようやく、 クリも果樹の仲間入りを果たしたように思う。 県、 市、 JAが力を入れているこの機を逃さず、 産地の名を高める。 高値で売れることが励みになる。 JAには、 組合員が喜んで出荷できるよう、 販売努力をお願いする」

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 果実だけでなく、 将来は苗木も丹波ブランドで販売をと考えている。 クリ専業農家が出てくるぐらいの産地に育つことを夢見ている。 丹波市青垣町森。 58歳。

 

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