「丹波野鳥の会」会長 梅津節雄さん(丹波市氷上町小野)

2016.03.13
たんばのひと自然

鳥通して環境に関心を

 会員(約25人)を対象にした観察会を年に4、5回開催し、野鳥の魅力や自然の奥深さを伝えている。ツバメのねぐらやガン・カモ(水鳥)類の調査なども実施し、ライフワークとしては、丹波地域に生息しているワシやタカをはじめとする猛禽類の調査と、その撮影に力を入れている。

 野鳥に心ひかれるようになったきっかけは小学4年生の冬。銀世界の畑に立つ杭のてっぺんに見慣れぬ青い小鳥がとまった。「ルリビタキのオスでした。真っ白な背景に瑠璃色が映え、世の中にこんな美しい生きものがいるんだと感動をおぼえました」と振り返る。このできごと以降、野鳥を追いかける日々が始まった。

 「鎮守の森でアオバズク(フクロウの仲間)を探し回ったり、スズメのヒナ欲しさに屋根瓦をめくって父親に叱られたりしたこともあった」と少年時代を懐かしむ。

 社会人となり生活環境が大きく変化したことで、野鳥とのかかわりはしばらく途絶えたが、40歳を前に“野鳥魂”が再燃。友人らと定期的に観察会を開くようになり、2000年11月、ついに「丹波野鳥の会」を立ち上げた。

 「鳥は環境に敏感な生きもの。鳥が数多くくらしているところは、人にとっても健康に過ごせる場所。鳥を通して、その背景に広がる自然環境にも興味や関心を持ってもらえれば」。

 「将来、丹波地域で撮影した野鳥の写真集を出してみたいし、写真展もやれたら」と夢は膨らむ。

 今月中旬には、冬鳥と夏鳥が入れ替わる「渡り」が始まる。ツバメの飛来も間もなくだ。62歳。

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