11月13日小新屋観音で33年ぶりに行われる「御開帳」の準備を取り仕切る。「初めての取り組みで大変だと思う反面、巡り合わせでこのような大事業に関われ、光栄で幸せなこと」と話す。PRのため、シューベルティアーデを誘致した。今年度は、老朽化していた阿歩神社の改修や、初の男性料理教室を企画するなど、地域のために尽くす。
元宮内庁職員。福知山商業高校卒業後、国鉄に入り、大阪車掌区、鉄道病院を経て本社能力開発課で中央鉄道学園の総務部に。同学園の学長秘書を務めていた時に国鉄改革。皇族専用の「お召し列車」の乗務員教育に携わったこともあり、宮内庁受験を勧められ、「違う人生を歩くチャンス」と思い、当時の受験制限年齢で受験。42歳で入庁した。皇室関連資料の保存や調査研究などを担当する「書陵部」、皇室用財産を管理する「管理部」を経て、60歳の退官まで京都の各離宮の主殿長を務めた。
天皇、皇后両陛下の関西入りのご宿泊先、大宮御所で庭のご散策の案内など、世話係を務めた。「庭のご散策時、雑木や雑草というものはなく、すべて名前があるのだと、踏まずに両手で優しくのけられる様子が印象に残っている。人の痛みが分かる、常に問題意識を持つ大切さを教わった」。また、「天皇、皇后両陛下とのテニス後の懇親会での笑顔や、乾燥時に傘が開く性質を利用して室内調湿にマツボクリを使っているという皇后さまの話が印象的」と言い、自然を生かす暮らしについて感銘を受け、自宅でも実践している。
「人の話を聞くことは自分の英知になり心を豊かにしてくれる。英知を頂ける人との会話がわたしの趣味です」とにっこり。71歳。