トレランでプロめざす
山野を駆けるランニング競技「トレイルランニング」のプロをめざしている。今年、80以上を走る大会「六甲縦走キャノンボールラン・パワーの部」をコースレコードで優勝、日本トップランナーが出場する関西最大レース「比叡山インターナショナルトレイルラン」で5位入賞を果たした。
大学生だった3年半前、知人に誘われ軽い気持ちで始めた。初めての“トレラン”は下りがつらく、捻挫もしてしまったという。それでも半年後、氷ノ山を走る大会に出場。15時間以内にゴールしなければならないところを13時間半でフィニッシュ。「順位は後ろから数えた方が早かった」と笑う。その後も「誘われたら走る」というスタンスだった。
2年前、勤めていた中学校の非常勤教員を退職したことで、目標を見失った。そんなとき、再び氷ノ山大会に誘われた。「改めて山の中に入ると、自分に向き合える時間が多いことに気づいた。少しずつコツもつかみ、走るのが楽しくなった」と言い、自発的に練習を重ねるようになった。
大会では、成果が実り20歳代部門で優勝。「努力した過程も楽しく、結果も付いてきた。家族の応援もあり、この道でプロをめざすことに決めた」と話す。
現在、京都市を拠点に活動中。「トレランは、相手と競うというより、ともにゴールをめざす競技だと思う。ゴールしたら、みんなで喜びたたえ合う。そんなところが好き」と魅力を語る。
「欧州で来年行われる世界選手権の出場権を獲得することが目標。努力すれば夢をかなえられるということを実現し、子どもたちに伝えたい」。26歳。