植物写真集を編集中 谷口次男さん(篠山市西新町)

2017.07.09
たんばのひと

草花を探し求めて35年

 野山で可憐に咲く山野草にレンズを向けて35年。足元に広がる世界から地域の自然環境を見つめ続けている。6年前に篠山市内に自生する草花約800種を紹介した植物写真集「篠山で見た植物」を自費出版した。現在は、改訂版発行に向け、編集作業の真っ最中。初版より1サイズ大きいA4判で編集しなおし、植物写真の掲載点数も1100点を超える大作になりそう。

 同市西町出身。幼少期は昆虫少年であり、川遊びが大好きな“川ガキ”でもあった。当時、同市郡家にあった兵庫農科大学(現・神戸大学農学部)を卒業後、大手乳業メーカーへ就職するため故郷を離れた。

 40歳代半ば、転勤先の広島の豊かな自然に魅せられ、休日は散歩がてら野山を歩くようになった。そこで出合う数々の山野草に魅せられ、「見た記念に写真を撮ろう」とカメラを手にした。もともと自然好きだったこともあって、あっという間に植物写真にのめり込んだ。

 「第2の人生はふるさとで」と、60歳の定年に合わせて帰郷。複数の自然愛好グループに籍を置き、仲間と共に地域の自然と触れ合い、造詣を深めてきた。現在は、篠山市サギソウ保存会会長、篠山自然の会副代表、多紀連山のクリンソウを守る会運営委員、60人が在籍するささやまの森公園のボランティアの代表など、複数の役員を務めている。

 「まだ見ぬ草花を探し求めて歩き回るのは、まるで宝探しをしているようでおもしろい」とほほ笑み、「多くの人に地域の自然に興味や関心を持ってもらえるよう、いろんな形で自然の素晴らしさを伝えていけたら」と話す。79歳。

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