「ガチャめし」ヒット 西紀SA支配人 鶴直樹さん(大阪市)

2017.10.01
たんばのひと

「旅の目的地になれた」

 舞鶴若狭道、西紀サービスエリア(以下、SA)下り線(篠山市東木之部)のフードコートに今年8月、「ガチャコロ」を使った券売機「ガチャめし」が登場し、人気を集めた。どんなメニューが出るかはまさに運頼みだが、遊び心のある企画と、500円で750円相当のメニューが食べられるお得感が話題を呼び、5―31日の期間中、延べ約2万5000人、一日最多2000人が利用する大ヒットとなった。

 ネットニュースが火付け役となり、ユーチューバーがお忍びで来店し、その模様を配信したことが、さらに話題を呼んだ。満車のためにSAに入ることすらできない日もあった。結果、赤字覚悟ともいえる値段設定ながら売上は、フードコートのみで130%、SA全体で110%(昨年8月比)。ビジネスモデルの一例として取り上げられるようにもなった。

 「一番大変だったのは、増加するお客様に対して、どう対応していくかを考えることだった」と振り返る。仕込みの数がよめない、列が出来る中で導線をどう設定するか、セットは手間がかかるから単品の割合を増やして―など、毎日、営業後に会議を重ねた。来年開業予定の宝塚北SAで研修中のスタッフが応援にかけつけ、通常より10人多い体制で“戦場”を乗り切った。

 「エンタメ感、お得感などニーズにマッチすればお客様は反応してくれるということを学び、SAが旅の目的地になったことが何よりうれしかった」と話す。次回はあるのか。「これを定着させたいという思いと、ブームに過ぎなかったのかどうかを確かめる意味で、あと数回は試してみたい」と話した。39歳。

関連記事