障がい者の「働く」応援
丹波市内で障害福祉サービス事業を展開する。市内企業の下請け作業を中心に、建物の清掃、草刈り、引っ越し、配食など様々な分野に進出。利用者は76人、職員32人と、会社設立4年で事業を急拡大させてきた。
「障がいのある方の働く場のイメージを変えたい」と、10月に3つ目の就労継続支援B型事業所などが入居する「トータルサポートセンター」を市の中心部、柏原町母坪のバイパス沿いに開設。「特別な時にだけ障がいのある人に対して目を向けるのではなく、日ごろから目につく環境を作りたかった」。
B型事業所は、工賃として月最低3000円を支払うことのみが義務づけられている。同社は月額3万817円(2015年度)と、全国平均の倍。「これでも最低賃金の半分。雇用契約を結び最低賃金を払えるようになりたい」と力を込める。
「安全に守ることが福祉」という考え方もあるが、「守るだけでなく、社会に出るためのチャンスを作ることも福祉の役割」と考えている。就職先で座り仕事はほとんどないと、普段から立って作業をすることを習慣づけている。
取引先の企業から「予想以上によくやってくれる」と仕事を増やしてもらえる好循環が生まれてきた。「きっちり仕事をすれば、給与・工賃が増える。胸を張り、自ら社会に出ようという気持ちを利用者が持てる環境を作るのが仕事」。
後継者がおらず、やむなく廃業する事業所を探している。継承するためだ。「障がいのある人が働くことで地域が元気になり、おのずと社会が変わっていく。そんな効果が生み出せるようチャレンジを続けたい」。46歳。