笑いと元気呼び込む
丹波市や篠山市、福知山市のデイサービス施設や老人ホームなどでどじょうすくいを披露し、利用者の笑いを誘っている。
元陸上自衛官。結婚後に丹波市春日町で暮らす。「数年前、友人と一緒に老人ホームに行く機会があり、傘踊りや腹話術などに入居者が笑って喜ぶ姿を見て『笑いってすごい力がある』と思い、自分にできることはないかと考えるようになったのがきっかけ」と振り返る。
自分に何ができるかと、思いを巡らせていた時、自衛隊時代にどじょうすくいの好きな先輩がいたことを思い出し、「これなら一人でやれる」とインターネット動画で練習。本場の島根県安来市から衣装、ザル、腰かご、豆絞りタオルなどの道具を購入し、家族の前で練習していたが、3年前の丹波OB大学3年の時に「朝のつどい」で約200人の前で踊ったのが好評で、口コミで評判が伝わり、出演回数は30回くらいになった。
「一番受けるのは、どじょうを捕まえた時の高笑いのシーン。一文銭の鼻当ての変装も面白いので、大爆笑になりますよ」と話す。一方では、「足にまとわりついたヒルを取り払う場面は、若い人などに理解しにくいこともあるため、踊ったあと解説を入れ、2回目を踊ることもある」という。「高齢の人が涙を流して喜び、その様子をみてこちらも生きがいをもらえる。みなさんに笑いと元気を与えられるように演技の向上を目指し、地域実践活動を続けたい」と意欲。
熊本市から南に約20キロの熊本県上益城郡甲佐町出身。福知山駐屯地勤務時代には、駅伝やマラソンでも活躍した。「踊ったあとは、かなりしんどいが、若いころ鍛えた体力の貯金のおかげです」と笑う。73歳。