郷土愛育む仕掛けを
国指定史跡「黒井城跡」のおひざ元、黒井城跡地域活性化委員会の委員長。来年放映のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」で主人公の戦国武将、明智光秀と張り合った城主の赤井(荻野)直正を売り出す様々な仕掛けやイベントを展開する。
「昨年4月のドラマ放映決定を受け、住民の地域への愛着心を呼び起こそうと委員会を立ち上げた。自治会長や郷土史家、ボランティアガイドらの協力、市や教育委員会の支援を得て、大きな輪になった」と感謝する。
昨年7月の歴史講演会は予想以上の人が集まり、活動に弾みがついた。12月の黒井と東京をネット中継したアイデア合戦には、500件を超す提案が寄せられた。勢いを得て、4月28日の「ようこそお茶の国丹波へ」の成功が当面の目標。「戦場を目指す武士が心を落ち着かせるためお茶をたしなんだ場面を城跡で再現する。甲冑武者も登場し、多彩な催しもある。どうぞお越しください」とPR。
古地図を使った黒井のまち歩きアプリ開発も追い風になり、地域を活気づける芽が出始めた。「住民による街角カフェや空き家対策などアイデアも出てきた」と喜ぶ。
課題は、ボランティアガイドの増強。「小学生らによる子どもガイドができないか。歴史学習にもなるし、地元を離れても将来帰って来たいと思えるような郷土愛を育みたい」と語る。「市内各地のまち歩きなど観光に利用できるアプリ開発が進めば、誘客にもつながる」と期待する。
黒井地区と春日地域の自治会長会代表。元JR社員で営業一筋。「光秀ゆかりの篠山、福知山にも知人がいて、助かった。連携しておもてなしを」と意気込む。70歳。