丹波の森公苑で開かれた「丹波路広域ツーリズムフォーラム」を聴きに行った。「今や物見遊山の団体旅行から、個人と個人が交わるツーリズムの時代」という問題意識のもと、「丹波地域の目指す基本戦略」の発表などがあり、大いに勉強させられた。▼聴衆席に質問票が回って来たので、「『丹波』を兵庫丹波だけにとどまらせず、『京都丹波』を含め広域的にとらえたイメージの確立が必要では」と提起したが、時間の制約もあって議論が深まらなかったのは、物足りなかった。▼「基本戦略」の調査でも、大阪空港に降り立った客の多くは丹波について「兵庫と京都を区別して認識していない」という結果が出ていたが、春秋子の経験では「丹波がどこにあるかわからない。但馬や丹後との違いさえあやふや」といったところが実情に近いように思う。▼本紙11日号「自由の声」欄で山口博美さん(篠山出、東京)が指摘された通り、丹波市、篠山市は旧丹波国6郡のうちの2郡にすぎず、もっと言えば、上方の京都から見れば西の端の奥地だった。▼丹波の森協会は来春から「兵庫丹波の森協会」に名称変更する。丹波は丹波市だけではないことを配慮した措置だが、この機会に丹波は兵庫県だけでないことを認識し、ツーリズムの推進においてもオール丹波の連携、知恵の結集を図りたいものだ。(E)