日本シリーズ

2007.02.03
丹波春秋

日本シリーズ2戦だけの時点で先のことはわからないが、ロッテの戦いぶりは鮮やかだった。真下から緩急自在に投げ込む投手も、8打席連続安打の打者も、知らなかった顔ばかり。▼しかし阪神ナインに比べ、みな眼の光り方が違う。テレビの全国中継も、スタンドぎっしりの大観衆の中でプレーする機会も滅多になく、きっとそれが普段以上の力を発揮させているのだろう。▼それにしても万一、「パ・リーグのペナントレース2位チームが2年連続日本一」などという事態になれば、セ・リーグにとっては一大事。「パのプレーオフの間、待たされるのが問題」と、セのプレーオフ待望論がいよいよ勢いを増すのは必至だ。▼それも良かろうが、今季始まったセ・パ交流試合でもパのチームが優勢がちだった背景には、『ハングリー』感の違いがあるような気がする。投資ファンドにまで目を付けられる阪神を初め、セ・リーグは何と言っても恵まれている。▼かつてのシリーズ、巨人に3連勝した近鉄の某投手が「巨人はロッテより弱い」と口を滑らせて巨人を奮起させ、逆に4連敗を喫して、近鉄はついに一度も日本一になれずに終わった。そのロッテの活躍は、今後の球界の大変動を予兆させるようでもある。ただロッテの選手たち、間違っても「阪神は楽天より弱い」なんては言わぬように。(E)

関連記事