愛知県碧南市で開かれた「大浜てらまち俳句イング」に柏原の田ステ女俳句ラリー実行委員会の人たちと出かけた。知多湾に面する同市は漁港を抱えた元漁師町だが、今は多くの工場が集まっている。▼財政力指数全国一位の裕福な町だそうだが、詩人でもある永島市長の提唱で「失われつつあるやすらぎの気持ちを」と、ウオーキング・イベントが五年前から始まり、俳句もその一環。俳人の坪内稔典さんから同じように指導を受けている柏原の方が少し先輩ながら、句を詠まない人を合わせ2万人以上という人出に驚いた。▼1キロほどの間に家康ゆかりなど十カ寺が並び、昔そのままの味醂工場など古い建物もあちこちに残っている。小中学生のグループが現場で歴史や環境など調べたことを思い思いに発表していた。▼青年や婦人のボランティアも総出で世話に当たって下さり、どの店先にも書や絵、郷土人形などが展示されている。漁協のサービスのカニ汁に舌鼓を打った。▼「碧南を誇れる人材を育てるのに俳句はぴったり。坪内先生に毎月のように来てもらい、時には学校の外で俳句教室を開いてもらっている」と、小笠原教育長が熱っぽく語られるのに感銘を受け、一同「柏原もがんばろう」と話しながら帰途についた。「碧南も丹波も同じ秋の空」(矢本雅恵さんの入賞句)(E)