10年後の常識

2019.06.13
記者ノート

 丹波篠山市の「おめめどう」社の設立15周年記念に、東京大学先端科学技術研究センターの中邑賢龍さんが、「AI・ロボット時代の子育て・教育・福祉」と題して講演した。中邑さんは、「会社に欠勤届けをする際はLINEでして」と、笑いを誘った。日本では上司に電話をするのが常識とされているが、すでにアップル社などはメール連絡が当然といい、「今、我々が常識と思っていることが10年後に常識であるとは限らない」と真顔で話した。

 電話がとても苦手、文字が読めないといった障がいのある人がいるという。スマホを持っているのが当たり前な世の中。電話の代わりにLINE、スマホの音声機能を使えば、それらは障がいでなくなる。

 障がいの有無、男女の性、プロとアマチュア―などの境界もあいまいになっていく。「『将来は医師か弁護士に』と子どもに勉強をさせても、大きくなるころにはロボットにかわっていた、ということがあり得る」とも。これからの教育は、自分で責任を持つ生き方を教えることだという。

 脳みそがショートしそうになった。(芦田安生)

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