「もうやめてくれ」

2019.07.11
記者ノート

 児童虐待が社会問題となる中、丹波篠山市が昨年度、4カ月、1歳7カ月、3歳児の各健診を受診した保護者を対象にしたアンケートによると、「感情的に叩いた」「感情的な言葉で怒鳴った」など7つの設問に一つでも回答した保護者が4カ月児で7・5%、1歳7カ月では20・9%、3歳では36%あった。

 しつけをきちんとしたいという思いと、ついイライラと感情的になり、後で自分を責めたり、周りに相談できずにいる母親もいるという。「かわいい盛りの4カ月児にも感情的になる保護者が『0』ではないことが分かる。健診などの機会を通じて支援ができれば」と話す。

 先日、若くしておじいちゃんになった友人が、その孫を突然死で亡くした。まだ1歳8カ月だった。「家族に愛されながらも生きられへん子もおる。児童虐待がようニュースになっとるけど、『もうやめてくれ』」。そんな心境になったと、話してくれた。

 問題が複雑なのは容易に想像できるが、アンケートの該当者がまだ「虐待」といえるレベルでないことを願う。子どもの笑顔を、命を消してはならない。(芦田安生)

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