写真を趣味に充実人生
元青垣郵便局長。出身地でもある青垣町を中心に丹波市内や国内外の風景を撮影。5月から6月にかけて60年の集大成として西脇市内で90歳を超えて、初めて個展を開いた。
写真に目覚めたのは小学生のころ。ピンホールとも呼ばれる針穴写真機に凝った。「自分で写真機を作り、友だちを撮影して楽しんだ」と振り返る。
若い頃には自宅に暗室を設け、自身で現像を手がけたこともある。その間、継続して写真展などに応募しながら腕を磨いた。63歳で退職後、本格的に写真に向き合うようになった。
ところが、間もなくして妻を病気で亡くした。「一時は落ち込みましたが、今から思えば写真が力を与えてくれた」と言い、「ますますのめり込むようになりましたね」と話す。
高源寺の初夏の風景が「丹波遊・学サロン写真展」で大賞を受けたほか、遠阪峠の初冬の風景が兵庫県観光写真展で特選となり、丹波新聞新年号の紙面を飾った。全日本写真連盟展や二科展入選など輝かしい成績も残した。元日本写真作家協会会員。
20年前に青垣から娘夫婦の暮らす西脇市内に転居。「個展開催は、家族の協力のおかげ。たくさんの人に来ていただき、同好の人から質問を受けたり、年齢を超えて語り合えた。これからも作品を見てもらう機会があれば」と意欲。
週に3回人工透析を受けていて、撮影に出かけることもなくなったが、写真の整理などで、暇を持て余すことはない。「丹波市の風景が一番好き。今も丹波市民のような気持ち。変化に富んだ但馬の祭りも好きですね。90歳を超えても充実した生活が送れるのは趣味のおかげ」とほほ笑んだ。91歳。丹波市青垣町出身。